2014年05月09日

パテントクリフを乗リ越えたメバロチン

国内大手の医薬品メーヵーで今現在、パテントクリフの崖っぶちにいるのが武田薬品と
エーザイだとすれば、それを乗り越えたのが第一三共とアステラス製薬だ。

第一三共はいち早くパテントクリフに見舞われた。高脂血症治療薬rメバロチン」で一世を
風靡したのは2000年代はじめ。ピークの03年には2000億円の世界売上げを果たし
日本製のブロックバスターとしては初めて世界で認知された。

その特許が切れたのが20 06年。同時にジェネリックが襲いかかり、売上げは激減した。

2011年度のメパロチンの売上げは330億円。まだ残ってるじやないか、と思われるか
もしれないが、これはほぼ国内限定での数字。海外での売上げは公表されていないが、
ほぼゼロに近いとみられる。

これほどの激烈な売上げの下落を第一三共はどうカバーしたかというと、次の新薬投入を急
いだのである。

それは高血圧治療薬の「オルメテック」だった。高い降圧効果と安全性に優れており、
大型新薬として期待され、アメリカで投入されたのは2002年。
日本では少し遅れて2004年の発売となったが、これが目論見通りブロックパスター化し、2011年度の売上げは
2589億円へと拡大した。


メバロチンが切れるタイミングで順調にオルメテックへのスイッチができたのである。

むろん、稼ぎ頭となったオルメテックも近いうちに特許が切れる。
米国では2016年に、曰本と欧州では2017年に切れる。

今度はそれをカバーするのが、抗血小板剤「プラスグレル」だった。
2009年に欧州と米国で発売された。曰本では遅れて2 o13年に製造承認を得た。

抗血小板剤は先行しているサノフィアベンティスの「プラビックス」が同種の効果を持って
いて、これが2011年に97億ドル、ほぼ1兆円近い世界売上げを果たしている。そのシェア
の3割でも奪取できれば、それだけでも3000億円の大型ブロックバスターに育つ、という
目論見だった。


ただ、現状ではプラスグレルは1500億円規模の売上げに留まっている。それでも大き
なブロックバスターであることは間違いないが、不幸だったのは先発薬のプラビックスが
2012年に特許切れとなった。そのため、猛烈なジェネリック攻勢にあってしまい、抗血小
板薬の分野がジェネリックに奪われている。なにしろ価格が先発薬の1割程度のジェネリック
も出ているというから、第一三共のプラスグレルになかなか医師の目が向かない。第一三共と
しては、これからの日本市場での取り組みに期待したいところ。

さらに、次の新薬として、抗凝固剤の「エドキサパン」も控えている。

これは2011年に「下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制」の適
応症で発売されたが、対象の範囲が狭く、売上げも低水準だったものの、「心房細動に伴う脳
卒中および全身性塞栓症の発症抑制、および深部静脈血栓症、肺塞栓症における静脈血栓塞栓
症など」の適応を広げて、2014年に日米欧で発売される見通しとなった。
また、経口剤というところにも需要拡大の可能性が高いため
最大3000億円規模のブロックバスター化するとみられている。

このように第一三共は、メバロチン?オルメテック?プラスグレル?エドキサバンと、新薬
のローテーションが順調に進んでいる。パテントクリフへの対処としてはきわめてうまくいっ
たケースと言える。

同じようにアステラス製薬も次のブロックバスターが育ってきている。

2008年に免疫抑制剤の「プログラフ」の特許が切れ、2009年には排尿障害治療薬の
「ハルナール」の特許が切れた。
ただし、現在でもプログラフは1617億円(2011年度)を維持している。それはプロ36
グラフが移植手術や難治手術などの専門性の高い手術に適応されることから、普及版としての
ジェネリックが出にくいといぅ特徴があるため。

新薬としては、2011年に過活動膀胱治療薬「ベシケア」が発売された。これが現在は
600億円規模の売上げ、いずれlooo億円の大台に乗せることは確実とされ、ブロックバ
スターのバトンタッチが進むと見られる。また、2012年には前立腺がん治療薬「エクスタ
ンデイ」が発売された。

ハルナール、べシケア、エクスタンデイはいずれも泌尿器疾患の分野。この分野でブロック
バスターを出し続けることで、相乗効果も出ていると考えられる。
posted by こうた at 09:21| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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